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私が支援する中でも大切にしている「役員合宿」についてお話ししたいと思います。役員合宿は、単に経営方針や施策を話し合う場ではありません。役員同士が本音で向き合い、会社の目指す方向性を揃えるための大切な機会でもあります。
今回は、役員合宿を実施する目的や、私が実施する際に工夫していることについてご紹介します。
今後の方針や具体的な施策について話すとき、どうしても認識の相違が生まれたり、会社をどの方向に持っていくかという点で、ずれが生じたりすることがあります。
特に、人事制度や評価について話すときは注意が必要です。
人事制度はあくまで手段であり、目的は「会社のビジョンの実現に貢献してくれる人を評価すること」です。
そのため、まず人事制度の方針として「どんな会社にしていきたいのか」を言語化しなければなりません。
役員間の認識が一致していないと、そのずれがそのまま制度設計に持ち込まれてしまう懸念があります。
そこで、役員間の認識を揃えることを目的に、合宿を実施しています。
ただし、合宿をすること自体に本当に意味があるのかは、ケースバイケースだと考えています。
いつもと同じ会議室で話した方が得策なのか。
それとも、日常から離れてアウトプットに集中した方がいいのか。
それは会社によって異なります。
そこを見極めたうえで、合宿という形をとるかどうかを判断しています。
役員合宿を実施する際には、参加者が本音で話し合い、議論を深められるよう、いくつかの工夫をしています。
当日いきなりスタートするのではなく、事前にワークシートをお渡しし、話したい方向性や自分自身の考えを書いてきてもらうことがよくあります。
例えば、現在の会社で良くなっていることや気がかりなこと、仕事で譲れない価値観、さらには1年後・3年後に目指す事業や組織の姿などを整理してもらいます。
事前に一人ひとりが考えを深めておくことで、当日はそれぞれの考えを共有し、共通点や違いについて話し合うことに時間を使えます。
内省した内容を持ち寄ることで、当日の議論が深まります。
▼実際に、UP Forwardが支援する株式会社ローカルブライト様の役員合宿でも、経営陣それぞれの価値観や将来の組織像を整理する事前ワークを取り入れました。

合宿のスケジュールを組むうえで、まず土台になるのは「本音で話せること」です。
そのために、肩書きや立場、年齢はいったん横に置いて話す、というルールを最初に決めます。
また、意見の違いを否定しないことも大切にしています。経営陣それぞれが見ている景色や大切にしている価値観が異なるのは、決して悪いことではありません。
「誰も間違っていない」という前提に立ち、お互いの考えを理解することが、本音で話し合うための第一歩になると考えています。
「〇〇部長」のように肩書きで呼び合うと、いつもと同じ空気になってしまいます。
会社によってはもう一歩踏み込んで、あだ名を決めて呼び合うこともあります。
また、普段スーツを着ている会社であれば、私服にしてラフに話せるようにする、といった工夫もしています。
アイスブレイクも、どうすれば参加者同士が打ち解けられるかを会社ごとに考えたうえで、提案・実施しています。
また、価値観を言語化する「バリューズカード」を使い、お互いが大切にしていることを知るきっかけをつくることもあります。

時間に余裕があり、宿泊を伴う合宿ができるなら、一緒に作業をするワークショップを取り入れると、議論がより活発になります。
たとえば、簡単なカレーを一緒に作ったり、焚き火を囲んで語ったり。
前半で真面目な話や方向性の議論をしたうえで、その内容を踏まえて一緒にご飯を食べ、焚き火をしながら、さらに深掘りした話をする。
こうした構成にすると、満足度の高い合宿になると考えています。

合宿は、やって終わりではありません。
終了のタイミングで、どんなToDoがあるのか、それをいつやるのかを決め、業務フローに落とし込むところまで合宿中に行うのもポイントです。
事業がうまくいくかどうかを左右する重要なポイントは、「言いたいことが言えるか、本音で話せるか」だと感じています。これはどの会社にも共通しています。
思っていても言えないことがある中で、それでも自分の考えと相手の考えを尊重しながら、どの方向に持っていけばいいのかを、皆が真剣に考えて話し合う。
これが合宿の中で最も重要なことです。
それができれば、組織は相当強くなると考えています。
合宿の前と後では、皆さんの表情が大きく変わり、納得感も高まっていると感じます。
これまでモヤモヤしていた論点を皆で話し合うことでスッキリし、「前に向かっていこう」というチームビルディングができる点が、大きな変化です。
一方で、合宿が終わって満足するのではなく、合宿で決めたやるべきことを、その後もやり続けることが大切です。
そうすることで、合宿の効果を最大限に生かし、さらなる成果につなげられると考えています。
役員合宿は、実施すること自体が目的ではありません。
大切なのは、普段なかなか話せないことも含めて本音で向き合い、会社として目指す方向性を共有すること。そして、そこで決めたことを日々の行動につなげていくことです。
これからも、一社一社の状況に合わせながら、組織が前に進むための対話と実行を支援していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回のコラムが、皆さまの組織づくりを考えるきっかけになれば幸いです。次回もぜひご覧ください。


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