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人事制度の改定についてご相談をいただく中で、最近よく話題に上がるテーマがあります。
それが、役職者の高齢化に伴う世代交代と、定年延長への対応です。
特に、現在50代前半から半ばを迎えている「団塊ジュニア世代」は、多くの企業で組織の中核を担っています。
今後10〜15年の間に、この世代が次々と定年や退職の時期を迎えていくことを考えると、企業として今から向き合っておくべき課題だと感じています。
今回は、団塊ジュニア世代を切り口に、これからの人事制度や組織づくりにおいて考えておきたい2つのことをお伝えします。
団塊ジュニア世代とは、一般に1971年から1974年に生まれた、第2次ベビーブーム世代を指します。
2026年には、52〜55歳を迎える世代です。
日本の人口ピラミッドを見ると、1947〜1949年生まれの「団塊の世代」と、その子ども世代にあたる「団塊ジュニア世代」の2つの大きな山があることがわかります。

参照元「統計ダッシュボード」
この団塊ジュニア世代は、現在、多くの企業で管理職や役職者として活躍している年代でもあります。
もちろん、企業によって年齢構成は異なりますが、この世代に役職者が集中している場合、今後の組織運営に大きな影響を与える可能性があります。
人事制度を見直す際、私たちがまず確認することの一つに、社員の年齢構成や等級構成があります。
どの年代に社員が多いのか。
どの等級に人材が集中しているのか。
次の管理職候補となる人材は、どのくらいいるのか。
こうした情報を整理していくと、企業ごとの人材構成の特徴が見えてきます。
例えば、50代の管理職が多い一方で、30代・40代の管理職候補が少ない企業もあります。その場合、現在の管理職が定年を迎えたときに、誰がその役割を引き継ぐのかという問題が出てきます。
一方で、経験豊富な人材にできるだけ長く活躍してもらいたいという考え方もあります。
そこで検討することになるのが、次の2つです。
① 役職者の高齢化に伴い、世代交代をどう進めるか
② 定年延長や継続雇用にどう対応するか
どちらも、これからの組織づくりを考えるうえで重要なテーマです。
こうした課題の背景には、国の高年齢者雇用政策もあります。
「高年齢者雇用安定法」では、65歳までの雇用確保措置が企業に義務付けられています。
60歳以上65歳未満の定年を定めている企業は、以下のいずれかの措置を講じる必要があります。
65歳までの定年引き上げ
65歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
定年制の廃止
さらに、70歳までの就業機会確保については、努力義務とされています。
実際に、近年では65歳以上への定年引き上げや、定年制の廃止に取り組む企業が増えています。
ただ、制度として雇用機会を確保することと、その人材にどのような役割を担ってもらうかは、別の問題です。
だからこそ、単に定年年齢をどうするかだけでなく、社員が年齢を重ねても活躍できる組織を、どのようにつくっていくのかを考える必要があります。
世代交代や定年延長について考えるとき、私たちが重要だと考えているのが、人員構成の可視化です。
例えば、社員の等級と年齢を掛け合わせたマトリクスを作成します。

※画像は説明用のサンプルデータです
このように整理すると、どの等級に、どの年代の社員が多いのかが一目でわかります。
サンプルでは、5等級の40〜44歳が11名と最も多く、6等級以上になると50代の社員が中心となっています。また、6等級の平均年齢は54.4歳です。このデータからは、上位等級ほど50代の人材が集中している傾向が読み取れます。
もし自社がこのような構成だった場合、今後の管理職の世代交代をどのように進めていくかが、一つの検討課題になります。
一方で、団塊ジュニア世代の人材が多いこと自体が問題なのではありません。
重要なのは、現在の人員構成が、これから会社が目指す事業や組織の姿に合っているかどうかです。
人員構成を可視化することは、単に社員の年齢を把握するためではなく、これから誰を育て、どのような役割を担ってもらうかを考えるための第一歩です。
一つ目は、役職者の世代交代です。
団塊ジュニア世代の管理職が多い企業では、今後の退職を見据えて、次の世代への引き継ぎを考えていく必要があります。
その際の選択肢としては、一定の年齢で管理職の役割を離れる「役職定年」や「ポストオフ」の導入、若手・中堅社員の積極的な抜擢などがあります。
ただし、必ずしも世代交代を早く進めることが正解とは限りません。
経験豊富な管理職が引き続き組織を支えることが、事業上必要な場合もあります。
一方で、若い世代に早い段階から責任ある役割を任せることで、次世代のリーダー育成につながる場合もあります。
大切なのは、年齢だけで一律に判断しないことです。
現在の事業フェーズや組織の課題、次世代人材の育成状況を踏まえ、どのような世代交代が適切なのかを考えていく必要があります。
二つ目は、定年延長や継続雇用への対応です。
今後、社員がより長く働くことを前提とした組織づくりが求められる中で、考えなければならないのは、定年年齢だけではありません。
例えば、これまで管理職として活躍してきた社員が、一定の年齢で役職を離れた場合、その後どのような役割を担うのか。
専門性を生かして現場を支えるのか。
若手社員の育成や技術・ノウハウの継承を担うのか。
その役割によって、求められる成果も、適切な報酬の考え方も変わってきます。
役職を離れたから一律に報酬を下げる、年齢に応じて処遇を決める、といった考え方だけでは、社員の納得感を得ることは難しいでしょう。
どのような役割を期待し、その役割や成果に対してどのように報いるのか。
これを人事制度の中で整理していくことが重要です。
定年延長や継続雇用は、単に雇用期間を延ばすための取り組みではなく、経験豊富な人材の力を、今後の事業にどう生かしていくかを考える機会でもあります。
ここまで、団塊ジュニア世代を切り口に、世代交代と定年延長についてお伝えしてきました。ただ、私が一番大切だと考えているのは、特定の世代への対応だけで人事制度を考えないことです。
例えば、今後3年で新しい事業を立ち上げたいのか。
5年後に組織をさらに拡大していきたいのか。
そのためには、どのような人材が必要で、今いる社員の誰に、どのタイミングで投資していくべきなのか。
こうしたことを、人材ポートフォリオを見ながら考えていく必要があります。
今いる社員の年齢や等級、経験、スキルを把握し、将来の事業戦略と照らし合わせる。
そのうえで、世代交代を進めるのか、経験豊富な人材に引き続き活躍してもらうのか、次世代人材の育成に力を入れるのかを判断していく。
人事制度は、目の前の課題に対応するためだけのものではなく、会社が目指す将来の姿を実現するための仕組みです。
団塊ジュニア世代の退職期が近づく今だからこそ、自社の人員構成を改めて見つめ直し、これからの事業と組織に必要な人材戦略を考えてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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